#01 クズと悪魔と男と女

Engage Kiss | 本編#01 クズと悪魔と男と女

24分2022年

  • 常に金には困っているが、元恋人であるアヤノと献身的に尽くしてくれるキサラのサポートのおかげでなんとか暮らせているシュウ。PMCとしての仕事も同様で、今日もアヤノの協力により、カジノで起こった「D災害」対策事業の入札競争をダンピング価格で勝ち取った。悪魔退治の現場では、キサラの悪魔の力に頼るつもりだったのだが、お金のことで機嫌を損なわせたため、彼女の姿はない。しかたなく、アヤノの所属する大手PMCと協力し、悪魔と対峙するが、だんだんと戦いの雲行きが怪しくなって……。
  • シュウの部屋の合鍵を手に入れ、キサラは上機嫌。対するシュウの心中は、会社の財務状況まで勝手に把握し、「日陰の女」を気取ってますます生活圏を侵食していく彼女の様子に穏やかではない。だがそれ以上に問題なのが、当座の生活費のなさ。あてにしていた入金が、計算違いでまだまだ先のことだと知ったシュウは、アヤノに頼んで二次請け仕事を回してもらうことに。かくしてシュウとキサラは、ベイロンシティの市政25周年記念パーティを警護し、予告テロから市長を守る任に就く。
  • ベイロンシティの下町を中心にした大規模停電。それは巨大な芋虫の形をした悪魔憑きによって引き起こされたD災害だった。どこかからその悪魔憑きの詳細な情報を仕入れたシュウは、「やるべき仕事」であると判断し、アヤノを通じて裏から手を回す。かくして、いつもどおりのダンピングにより、シュウの会社が入札に競り勝ったと思われた矢先、悪魔憑きに関する重大な新事実が判明。事態を重く見た人々の判断により、入札は停止され、シュウは災害対策から締め出されてしまった。
  • 大規模停電の原因になった悪魔憑きは退治したものの、事態の完全収拾には至らず、ベイロンシティの電力不足は続いている。そんな中、アヤノと謎の男の密会を目撃したキサラは、シュウの気持ちを確認するために、撮影した現場写真をSNSにアップロードする。まんまと釣られてキサラとアヤノ、そして謎の男ーー退魔局の刑事である三上の前に駆けつけたシュウは、思わぬ流れで、アヤノが自分に隠れて裏で画策していたことに気がついてしまった。ふたりのあいだに、これまでにない緊張感が漂う。
  • 悪魔憑きのターゲットになってしまったアヤノ。キサラの助けもあり、からくも最初の襲撃からは逃れたものの、彼女は、悪魔憑きの目から隠れるために隔離生活を始める。そのころシュウは、自分の過去をよく知る三上から協力を持ちかけられていた。話に乗ったシュウから情報を得た三上たち退魔局は、悪魔の代理人として次々と悪魔憑きを生み出している男の身元を割り出し、その棲家へと踏み込むが……。
  • シュウとアヤノが倉庫で過ごした記憶を見て以来、キサラの足はシュウの部屋から遠のいていた。逆にアヤノは、キサラの不在をいいことに、ここぞとばかりにシュウの世話を焼き、恋人気分を満喫している。その様子をSNSを通じて確認したキサラは、ますます悶々とした気持ちを募らせて行く。そんな三角関係の裏側で、ベイロンシティに吹き荒れる暴力の嵐。どこからともなく現れた、シスター服を身にまとい、悪魔災害の現場に次々と乱入しては理不尽な蛮行を繰り返す金髪美女の正体と目的は?
  • 星天教会ーー表向きは博愛主義を掲げる世界最大のエクソシスト集団。突如ベイロンシティに現れた謎のシスターの正体は、その星天教会の中でも一際危険な存在、わずか12人しか存在しない凄腕のエクソシストーー拘魔聖圧者(リビングレリック)のひとり、「純潔のシャロン」ことシャロン・ホーリーグレイルだった。D災害をとりまく権力の構図を揺るがしかねない新たな力の登場に、退魔局の関係者は危機感を強めていた。そんな中、キサラは傷つき眠るシュウを前に、アヤノに対して、自分とシュウ、シャロンのあいだに因縁が生じた、雪山での出来事を語り始める。
  • シュウとキサラの奮闘で、退魔局はシャロンの身柄を拘束することに成功し、ベイロンシティにはひとまずの平穏が戻った。シュウはふたたび、協力者である三上、マイルズとともに、少し前から連続して起こっている、何らかの人物の意志が介在したD災害の真相を追い、殺された悪魔代理人、花村ジュンヤの背後に潜んでいると予想される、「真代理人」の正体を突き止めようと、推理を重ねる。そして、重ねた思考の果てに、三上はある結論にたどり着き、急いでシュウに連絡をとろうとするが……。
  • 集めたすべての証拠が指し示す、真の悪魔代理人。それは、シュウの最も信頼する人物だった。警察庁とAAAのトップ同士による駆け引きが続く中、シュウはひとり、真犯人と対峙する。なぜ……どうして……問い掛ける言葉も虚しく、彼の目の前で、真犯人は凶悪な悪魔の姿へと変貌する。その力はあまりに圧倒的で、AAAの戦力を結集してもろくにダメージを与えることができない。このままでは、大切な人たちも傷つけられてしまう。シュウは激しい怒りと深い悲しみを胸に、キサラに大切な記憶を捧げることと決意する。悪魔を倒すために。
  • キサラが悪魔から記憶を奪ったことで、12年前、シュウとその家族を襲った事件の真相が明らかになった。姿を変え、時を超え、百年以上前から世界各地を渡り歩き、悪魔憑きを生み出しては人間に害を為してきた悪魔「アスモデウス」。星天教会が仇敵として追い求める、災厄そのもののようなその存在こそが、シュウの父を殺し、妹を奪った真の敵だった。さらにその悪魔は、ベイロンシティの繁栄の根幹たるオルゴニウムの根源にも関わっているのだという。事態はもはやシティの、いや、人類と悪魔の命運をかけた戦いに……。
  • 人工島を舞台にした、すべての元凶たる悪魔との戦いの最中、シュウの前で槍に貫かれたキサラ。アヤノとシャロンに助けられ、なすすべもなくその場から退避するシュウが見たのは、探し求めていた妹・カンナの姿だった。その後、ベイロンシティの総力を結集した人類の必死の抵抗も虚しく、S級悪魔と認定されたカンナによる大規模災害は次々とその被害範囲を拡大。傷つき倒れ、意識どころか生体反応も完全に失ったキサラを、もはや打つ手もなく、ただただ見つめ続けるシュウ。そんな彼の心に応えるかのように、キサラはそっと目を覚ます。
  • まっさらな状態に戻ったシュウとキサラの関係。キサラの思いを感じ取ったシュウは、今度は自分が彼女を守ると決意する。ベイロンシティに迫るS級悪魔・カンナの大攻勢。空港が爆破炎上するほどの甚大な被害を隠し切れるわけもなく、諸外国にもベイロンシティの危機が伝わり始め、このままでは独立自治が維持できるか怪しい。そんな激戦の最中、なぜか重要人物でもないアヤノを執拗に付け狙うカンナ。全力で抵抗を続けるアヤノだったが、S級悪魔の猛攻をしのぎきれるわけもなく、ついに限界を迎えてしまう。しかし、その瞬間……。
  • 人と悪魔が入り乱れ、さまざまな思惑が交錯する爆炎に包まれた戦場で、12年間の空白を埋めるかのように激しくぶつかり合うシュウとカンナ。世界の命運をかけた兄妹喧嘩に、なんとかして割り込もうとするアヤノ、シャロン、そしてキサラ。強大な悪魔を止められるのは、悪魔の力だけ。ふたたび手を取り合うシュウとキサラ。ふたりの積み重ねてきた想いは、激しい怒りにとらわれたカンナに届くのか。戦いの果てに、人と悪魔の未来は、どこへ向かうのか。