大学柔道部での腕を買われ、北海道警察に勧誘された諸星要一(綾野剛)。26歳で北海道警察本部の刑事となる。しかし、捜査も事務も満足にできない諸星は周囲から邪魔者扱い。そんな諸星に声をかけてきたのは署内でも抜きん出た捜査能力を発揮する刑事・村井定夫(ピエール瀧)。「刑事が認められるには犯人を挙げて点数を稼げ。そのためには協力者=S(エス)(スパイ)を作れ」と説かれ、自分の名刺をいたるところにばら撒き、裏社会との接触をはかる。ようやく内通を得て、暴力団組員を覚せい剤・拳銃所持で逮捕した功績で本部長賞を授与されるが、令状のない違法捜査に暴力団側が激怒。幹部の黒岩勝典(中村獅童)と面会することになった諸星だが、無鉄砲な性分を買われ兄弟盃を交わす。以降、S(エス)となった黒岩から裏社会の情報が提供されることになる。 1984年、札幌中央署暴力犯係(マル暴)に異動した諸星は、黒岩からロシア語が堪能な山辺太郎(YOUNG DAIS)、さらに太郎からはロシアルートの拳銃横流しに精通するパキスタン人、アクラム・ラシード(植野行雄)を紹介され、共にS(エス)としての付き合いがはじまる。この頃から諸星は摘発数を稼ぐため、ラシードの従兄弟に拳銃をもたせ出頭させるなど、違法まがいの捜査に手を染めるようになる。
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