MLBポストシーズン ワイルドカードとは?ルール・仕組み・日程などを紹介
8月も下旬に差し掛かりMLB(メジャーリーグベースボール)の順位争いも激しくなってきました。MLBでは地区優勝チーム以外に3チームが、ワイルドカードとしてポストシーズンに進出します。
この仕組みはNPB(プロ野球)で採用されていないため、馴染みが薄いかもしれません。今回はそのワイルドカード及びワイルドカードシリーズについて解説します。
ワイルドカードとは?
ワイルドカードの基本概要
MLBは30チームがアメリカン・リーグ(ア・リーグ)とナショナル・リーグ(ナ・リーグ)に15チームずつ分かれています。両リーグともに東、中、西の3地区制となっており、各地区には5チームずつ所属しています。ワイルドカードとは、各地区の優勝チーム以外でポストシーズン出場権を与えられる追加枠です。
2024年のMLBでポストシーズンに進めるのは、各リーグ6チームずつの合計12チームです。両リーグともに各地区の優勝チーム、そして優勝チームの3チームを除き、勝率の高い3チームがワイルドカードとなり、ポストシーズンに進出します。
MLBにおいてワイルドカードは、1995年から導入されました。1995年はストライキが起こったことによりポストシーズンが開催されなかったので、実際に適用されたのは1996年からです。
ワイルドカードのチーム数はこれまでに2度変わっています。1995年から2011年までは各リーグともに1チームがワイルドカードでしたが、2012年に2チームに変更。そして2022年からは現行の3チームとなっています。
ワイルドカードのルールと仕組み
ワイルドカード進出の条件
ワイルドカードとしてポストシーズンに進めるのは、各リーグ3チームずつの合計6チームです。各リーグともに、地区優勝したチームを除いて勝率が上位の3チームにワイルドカードの権利が与えられます。
ワイルドカードシリーズの仕組み
両リーグともにワイルドカードシリーズは、ワイルドカードの3チームに地区優勝したチームの中で、勝率のもっとも低いチームを加えた4チームで争われます。3試合制で先に2勝したチームがディビジョンシリーズ(地区シリーズ)へ進出します。どちらかのチームが2連勝した場合、第3戦は開催されません。
組み合わせは決まっており地区優勝したチームとワイルドカードの3チームのなかでもっとも勝率の低いチーム、ワイルドカードのなかで勝率が上位の2チームがそれぞれ対戦します。開催球場は地区優勝チーム、ワイルドカード1位のチームの本拠地です。
ワイルドカードシリーズとディビジョンシリーズの違い
両リーグともにワイルドカードシリーズを勝ち上がった2チームは、地区優勝した3チームの中で勝率上位の2チームが待ち受けるディビジョンシリーズへと駒を進めます。
ワイルドカードシリーズとディビジョンシリーズで大きく異なるのは、試合数と本拠地の移動がある部分です。ディビジョンシリーズは5試合制で行われ先に3勝したチームがリーグチャンピオンシップへ進出します。どちらかのチームが3勝した時点で以降のゲームは開催されません。
また、第1戦と第2戦、そして第5戦をディビジョンシリーズで待ち受けているチームの本拠地、第3戦と第4戦をワイルドカードシリーズから勝ち上がってきたチームの本拠地で対戦します。第2戦と第4戦の終了後にそれぞれ1日の移動日(休息日)が設けられています。
2024年ワイルドカードシリーズの日程
2024年のMLBワイルドカードシリーズは、ア・リーグとナ・リーグともに現地10月1日(日本時間10月2日)に開幕します。移動日(休息日)は設けられておらず、第2戦が現地10月2日(同10月3日)、第3戦は現地10月3日(同10月4日)と第1戦から3連戦が組まれています。
2024年のワイルドカード争いの見どころ
(公開日9月20日)時点では、もちろんワイルドカードシリーズに出場するチームは決まっていません。そのうえでワイルドカードシリーズの行方を考察します。
ア・リーグでは東地区の順位争いが激しくオリオールズとヤンキースが抜きつ抜かれつの死闘を演じています。中地区はガーディアンズとツインズ、西地区はアストロズとマリナーズがそれぞれ優勝を争っています。
現在の状況を見ると東地区で優勝を逃したどちらかのチームが、ワイルドカードの1枠目を獲得しそうです。残り2枠を中地区、西地区で優勝を逃したチーム、そこに東地区のレッドソックスと中地区のロイヤルズを加えた4チームで争う形になりそうです。
ナ・リーグは東地区のフィリーズと中地区のブリュワーズが独走状態です。一方で大谷翔平投手の所属するドジャースは前半戦こそ独走していましたが、後半戦に入ってやや失速気味となっています。
ワイルドカード争いを見ると、西地区で優勝を争う3チームの中で優勝を逃した2チームで上位の2枠獲得しそうです。残り1枠は東地区のブレーブスがやや優勢。さらにジャイアンツ、レッズ、メッツが追いかけているものの、少し差があります。
ナ・リーグのワイルドカードはドジャース、ダイヤモンドバックス、パドレスの3チームのうち優勝できなかった2チームに加えてブレーブスがワイルドカードを獲得しそうです。
もちろんシーズンの終了まで1ヶ月以上あるので、大逆転劇が起こるかもしれません。最後の最後まで優勝争い、そしてワイルドカード争いの行方を見守りましょう。