MLBポストシーズン ワールドシリーズとは?ルール・仕組み・日程などを紹介

アベマでMLB

8月も下旬に差し掛かりMLB(メジャーリーグベースボール)の順位争いも激しくなってきました。MLBでは各リーグとも地区優勝チームとワイルドカードの3チームをあわせた6チームが、ポストシーズン(プレーオフ)へと進出します。

 

 ポストシーズンはワイルドカードシリーズから始まり、ディビジョンシリーズ(地区シリーズ)、リーグチャンピオンシップシリーズ、ワールドシリーズと続いていきます。今回はポストシーズンの最終決戦であり、その年のワールドチャンピオンを決めるワールドシリーズについて解説します。

ワールドシリーズとは?

ワールドシリーズの基本概要

WSと表されることもあるワールドシリーズは、各チームにとって大目標であるワールドチャンピオン(世界一)を決めるMLBの最終決戦です。ワールドシリーズでは両リーグのチャンピオンチーム同士が激突します。


 もう少し細かく見ていきましょう。大リーグは30チームがアメリカン・リーグ(ア・リーグ)とナショナル・リーグ(ナ・リーグ)に15チームずつ分かれています。両リーグともに東、中、西の3地区制となっており、各地区には5チームずつ所属しています。


 2024年のMLBでポストシーズンに進めるのは、各リーグ6チームずつの合計12チームです。両リーグともに各地区の優勝チーム、そして優勝チームの3チームを除く勝率の高い3チームがワイルドカードとなり、ポストシーズンに進出します。


 ポストシーズンの第1ラウンドはワイルドカードシリーズです。同シリーズはワイルドカードの3チームに地区優勝のなかでもっとも勝率の低いチームを加えた4チームで行います。3試合制(2戦先勝)となっており、勝ち抜いたチームが地区優勝のなかで勝率の高い2チームが待ち受けるディビジョンシリーズへと駒を進めます。


 5試合制(3戦先勝)で行われるディビジョンシリーズを勝ち抜いた2チームが、リーグチャンピオンシップシリーズに進出。続いて行われる7試合制(4戦先勝)リーグチャンピオンシップシリーズでリーグチャンピオンが決まります。ワールドシリーズでは、そのリーグチャンピオンシップを勝ち抜いた2チームが激突するのです。

ワールドシリーズのルールと仕組み

ワールドシリーズ出場の条件

ワールドシリーズには、リーグチャンピオンシップシリーズを勝ち抜いたリーグチャンピオンのみが出場できます。

ワールドシリーズの仕組み

ワールドシリーズの仕組み

ワールドシリーズは7試合制で先に4勝したチームがワールドチャンピオンとなります。どちらかのチームが4勝した時点で以降の試合は開催されません。


 レギュラーシーズンで勝率が高いチームにホームアドバンテージが与えられ、第1戦を本拠地でスタートさせます。ホームアドバンテージのあるチームは第1戦、第2戦、第6戦、第7戦で本拠地を使用します。


 リーグチャンピオンシップシリーズでは、ワイルドカードでポストシーズンに進出したチームが地区優勝のチームと対戦する場合、地区優勝チームにホームアドバンテージが付与されました。しかしワールドシリーズでこのルールは適用されません。純粋にレギュラーシーズンの勝率によって、ホームアドバンテージが決定するのです。

 

 7試合は2試合、3試合、2試合の順番で球場が入れ替わり、第2戦と第5戦の翌日が移動日(休息日)となります。

2024年ワールドシリーズの日程

2024年のワールドシリーズは、現地10月25日(日本時間10月26日)に開幕します。ただし、両リーグのリーグチャンピオンシップシリーズが現地10月19日(同10月20日)に終了した場合は、現地10月22日(同10月23日)から開幕します。


 リーグチャンピオンシップの終了からワールドシリーズの開幕までの期間を短く設定することで、ファンの熱を下げない工夫をしているのです。

ワールドシリーズ日程

現地10月25日(日本時間10月26日)

WS第1戦


現地10月26日(同10月27日)

WS第2戦


現地10月27日(同10月28日)

試合なし


現地10月28日(同10月29日)

WS第3戦


現地10月29日(同10月30日)

WS第4戦


現地10月30日(同10月31日)

WS第5戦


現地10月31日(同11月1日)

試合なし


現地11月1日(同11月2日)

WS第6戦


現地11月2日(同11月3日)

WS第7戦

※現地10月22日(同10月23日)に開幕する可能性あり

2024年のワールドシリーズに勝ち上がってくるのは

(公開日9月20日)時点では、もちろんワールドシリーズに出場するチームは決まっていません。そのうえでワールドシリーズの行方を争ってみます。


 ア・リーグはジャッジとソトを擁するヤンキース、ラッチマンにヘンダーソンといった若いスター候補が揃っているオリオールズ、安定感のある戦い方をするガーディアンズがリーグチャンピオンの有力候補です。


 なかでもヤンキースは2022年に62本塁打を放ったジャッジ、通算出塁率4割超えかつ2年連続35本塁打以上を誇るソトのコンビは強力です。シーズン開幕後に加入したチザム・ジュニアや23歳のボルペらその他の選手も力があります。


 チーム防御率もリーグ3位。開幕時は不在だったエースのコールも6月に復帰しました。当初はピリッとしない部分もありましたが、8月に入ってからは安定しています。大舞台での経験も豊富でポストシーズンでは、過去17試合の登板で防御率2.93と結果を残しているのも安心材料の1つです。その他に抜けた存在はいないもののロドン、ストローマン、ギル、コルテスと先発投手陣の枚数も揃っています。


 ジャッジ、ソトの2枚看板が投手陣を引っ張ってリーグチャンピオンになるのではないでしょうか。


 一方のナ・リーグはハーパー、ターナー、シュワーバーなどタレントを擁するフィリーズと大谷翔平投手の所属するドジャースの争いでしょうか。シーズンでの対戦はすでに終えており、フィリーズが5勝1敗と圧倒しました。


 しかしドジャースはフィリーズと対戦時にベッツやマンシー、投手陣でも山本由伸投手ら主力選手を多く欠いていました。10月に行われるポストシーズンでは山本も復帰見込みであり、形勢逆転の可能性も十分。ここではドジャースの勝ち上がりを予想します。


 ドジャースは8月中旬を過ぎてからベッツとマンシーが復帰し、打線はようやく完全体に近くなってきました。リードオフマンを務める大谷もホームランを量産。日本人選手初の40-40(40本塁打、40盗塁)、前人未到の45-45の可能性も射程圏内です。レギュラーシーズンで偉業を達成し、勢いを持ってポストシーズンに突入。そのままの流れでワールドシリーズまで駆け上がるのが理想的な流れでしょうか。


 ア・リーグはヤンキース、ナ・リーグはドジャースによるワールドシリーズは1981年が最後。その年はドジャースが4勝2敗で勝利し、ワールドチャンピオンに輝きました。43年ぶりに東西の名門球団による最終決戦は実現するのか今から楽しみです。

ワールドシリーズ歴代優勝チーム

優勝回数の最多はヤンキースでその数は27回にものぼります。2位がセントルイス・カージナルスの11回となっており、10回以上ワールドチャンピオンに輝いたのはこの2チームだけです。以下、9回でレッドソックス、アスレチックスと続きます。


 名門ドジャースは7回のワールドシリーズ制覇があります。これはランキング6位です。一方で出場回数は21回でヤンキースの40回に次ぐ2位の記録となっています。裏を返すとワールドシリーズで14回も敗退していることになりますが、こちらは歴代ワースト記録です。40回出場して27勝13敗のヤンキースに対して、ドジャースは21回の出場で7勝14敗と大きく負け越しています。


 今シーズンから大谷投手や山本由伸投手が加わったドジャースは、はたして2020年以来のワールドチャンピオンの栄冠を手に入れることができるでしょうか。


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